豊橋の古民家で「曳家工事」

2023/11/05 00:00(公開)
曳家工事に取り組む原田さん㊨=豊橋市花田町で
新城・戸田工務店が施主の要望に応えて採用

 100年以上前に建てられた豊橋市花田町の古民家が3日、解体せずに新しく設置した基礎の上に移された。「曳家(ひきや)工事」と呼ばれる。
 1921(大正10)年築の住宅。施主の希望をを受けた新城市の戸田工務店が木造2階建て家屋を残したまま、新たな基礎の上に移す曳家工法を採用した。
 家を別の場所に水平移動する曳家が思い浮かぶが、今回は豊橋駅西側の住宅密集地で仮置きする場所がなく、移動しないため「垂直式」。9月、上屋を約1㍍浮かせ、鋼材で支えた。その下で基礎工事をし、柱と土台にほぞ加工を施した。

専門業者の原田さん作業

 専門業者で豊川市の原田勝二さんが請け負った。この日は5本ずつ3列ある柱の下に油圧ジャッキを入れ、上屋をゆっくり下ろした。細かな調整で柱はキシキシと音を立て、土台の穴にはまった。作業は1時間で終わった。
 戸田工務店会長の戸田由信さんによると、1950年の建築基準法以前に建てられた家は耐震基準を満たしていない物件もある。「家を残したまま耐震化するために曳家工法を利用しようとしても、専門業者が県内でも数軒しかない。歴史的工法で古い建物を受け継ぐ人材の育成も必要だ」と話した。
【安藤聡】
現場の全景
建物が持ち上げられ、その下で基礎が整備された(提供)
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