豊橋市が豊橋公園で計画する多目的屋内施設(新アリーナ)と公園東側エリア整備・運営事業について、長坂尚登市長が21日付で事業者へ契約解除通知を申し入れた。一方、計画中止を惜しむ市民らの署名のほか、地元政財界や各種団体、周辺自治体の首長らが計画継続を求めるメッセージを相次ぎ発信している。
市はアリーナ計画で特定事業契約を結ぶ「豊橋ネクストパーク」に契約解除を申し入れた。今後は着工済みの工事出来高を算定し、同社構成企業の損失補償への協議が進むとみられる。市では正式な契約解除の日程や協議内容などは明らかにしていない。
新アリーナの整備運営計画では、プロバスケットボールBリーグの強豪で市内に拠点を置く三遠ネオフェニックスがホームアリーナに使う提案が盛り込まれていた。
解約へ向けた動きが着々と進む中、地元を含む全国のバスケファンから惜しむ声が出ている。市民有志でつくる「豊橋新アリーナを求める会」は市議会への請願書提出へ向け署名活動を始めたところ、周辺市町や全国各地のバスケファンからも署名が届いているという。
地元経済界からも再考を促す動きが活発になった。豊橋商工会議所は神野吾郎会頭が計画中止に対し、地域経済発展に貢献できる施設との認識から「看過できない」と事態を重く受け止めるメッセージを発した。
大村秀章県知事も19日の記者会見で中止への動きに疑問を呈した。コンサートなど集客イベントでは県の新アリーナと連動した活用策も示されている。こうした経緯から県も基本計画など計5500万円の補助金をしている。
周辺の豊川や蒲郡の各市長も記者会見で継続を求める趣旨の発言をしている。自民党は豊橋市選出の県議3人と市議団がそれぞれ継続を求める要望を市長へ提出。同調する市議会の他会派からも近く予算要望で継続への考えを盛り込む。
また、地元の労働者団体「連合愛知豊橋地区協議会」も22日付で継続を求めるメッセージを発表した。清水浩之事務局長は「スポーツや文化の魅力向上に欠かせない施設だ。にぎわい創出も期待できる。個々の市民が集まる労働組合としても継続を望む」と話した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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