豊橋市議会3月定例会は5日夜、長坂尚登市長が市長選で配った法定ビラに端を発する「パワーハラスメントの疑いに関する調査」の報告書を踏まえた緊急質問で7人が質問した。引用された前市長のパワハラが確認できないとする内容。6日の一般質問では小林憲生氏(自民)も質問した。一連の質疑では「掲載前に事実確認したか」「選挙結果や前市長に与えた影響」に質問が集まったが、明確な答弁はなかった。
古池もも氏(とよはしみんなの議会)は、本来は「政策を有権者に知らしめる」とする法定ビラの目的を踏まえ、配布した意図や関連機関を通じた事前精査の有無などをただした。
前市長のパワハラを報じるインターネット記事を引用した意図について、長坂市長は「チラシ全体として選挙において当選を得るため」と答えた。古池氏は違法性の認識はないとする記者会見での発言とともに、立候補を傷付ける恐れがある情報を含んでいる情報を流布したことへの問題意識や、市民への信頼を大きく損ねたのではと指摘。長坂市長は「当時の市政の課題という認識で流した。市民の信頼を損ねたという考えはない」との認識を示した。
伊藤哲朗氏(自民)はビラで対立候補をおとしめる恐れがある内容を引用したことについて「選挙結果に影響がないとは言えない」と指摘。市民や有権者に納得いく説明の機会を設ける考えをただした。長坂市長は「今のところ予定はない」と述べるにとどまった。
引用記事のパワハラについて、伊藤氏が事実確認をしたかを何度も尋ねたが、長坂市長は「市がパワハラを認定していた事実はない」などと、質問趣旨とは異なる答弁に終始した。
斎藤啓氏(共産)も事実確認や調査目的を尋ねたが明確な答弁はなかった。共産党は新アリーナ契約解除など一部政策で一致するが、斎藤氏は「自身がビラに引用した内容が事実と違うとの指摘がある。これを切り離してしまうことに問題を感じる。最終的な結論を市民が決めることになりかねない。政治的、道義的な責任に立った誠実な対応を求める」と明確な答弁を求めた。
小林氏は、一般質問で引用記事の事実確認などをただしたが長坂市長は同様の答弁に終始した。市民への謝罪の必要性について問われると「引用元の執筆者の記事を否定する行為になる」とし、謝罪の考えもないことを強調した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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