豊川市立萩小学校で4月から小規模特認校制度が始まった。市内の校区外から子どもたちが越境入学して通える。16人が利用する。順調な滑り出しのようだ。
音羽地区の人口減少地域にある学校で、近年は児童数が減っている。2014年には100人を超えていたが、その後急減して昨年度は初めて50人を下回った。今後も減少が続くと、2学年を一つのクラスにする「複式学級」になる可能性があることから、この制度を導入した。今のところ、すぐに複式学級になる心配はない。
1年は5人、2~5年は各2人、6年は3人が校区外から通う。保護者が学校まで送迎する。各学年の児童数は7~15人で全校児童は64人。全体の4分の1が校区外の子になる。「きめ細やかな教育を受けられる少人数学級に魅力を感じた」「これまでの学校になじめない」などの理由で利用するケースが多い。「校区外の子が4分の1になるので大丈夫か。環境が変わり不登校にならないか」などの心配があったが、すべて杞憂(きゆう)に終わった。
5月中旬、運動会に向けて子どもたちが休憩時間に一輪車の練習をしていた。教員たちが見守る中、みんなが楽しそうに取り組んでいる。授業では校区外の子と校区の子の壁はない。月に2回、日曜に開かれる「探鳥会」は参加自由だが、校区外の子も積極的に訪れる。
柴田信明校長は「萩小学校区以外の豊川市内の小学生が、萩小学校で学べる選択肢が増えたことの意義は大きい」と述べ、「どの学年も小規模クラスで担任の目が行き届き、きめ細やかな指導ができている。校区は自然が豊かで、自然と触れ合う取り組みも積極的にしている」と話す。
これら取り組みが早くも評価され、校区外から通う子の保護者は「萩小に通えるようになって良かった。もともと萩小にいた子が優しくて、うちの子もなじんでいます」と話す。校区外から通う子は「授業などで自然と触れ合うことができる。楽しい」と笑顔。校区内の児童は「学校がにぎやかになってうれしい」と語る。柴田校長は「来年度以降も多くの子に校区外から通ってきてほしい」と願っている。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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