豊橋技術科学大学は12日、次世代半導体・センサー科学研究所「IRES²(アイリス)」の新工場とオープンラボの開所式を開いた。半導体人材の育成や産学官金連携の拠点とする。
研究所は技科大敷地内にあり、新工場とオープンラボを含め5棟からなる。半導体の研究や、半導体を使った先進的な実験装置を駆使する基礎研究部門と、半導体の設計、制作、評価ができるLSI(大規模集積回路)工場、研究を応用展開する社会実装部門などを備えている。
新工場の4号棟は、これまで研究開発機能を担っていた2号棟を規模拡大した。延べ約2000平方㍍。LSI製造に必要な大規模クリーンルームを備えている。
半導体を作るためには、シリコンウェハー(ケイ素でできた円盤状の基板)が欠かせない。これに印刷や撮影の技術を応用し、さまざまな回路を書き込んで、小さなチップに切り分けて使う。
半導体の発展に伴い、ウェハーも大面積化が進んでいる。1枚のウェハーに書き込める回路の数が多いほどコストダウンにつながる。
これまで2号棟では研究レベルや規模の小さい半導体デバイスで一般的な直径4インチまでのウェハーしか扱えなかった。4号棟では半導体製造で広く使われている直径8インチのウェハーを扱える。
オープンラボの5号棟は企業向けの個室研究室12部屋や共創スペースを備える。アイデア創出から技術相談、実証までができる。
式典には国や県、市の産業技術関係者や半導体産業に携わる企業の社長ら約100人が出席した。若原昭浩学長は「新施設を活用し、世界レベルの研究開発をさらに推進していくとともに、『産学官金連携』のイノベーション・コモンズ(共創拠点)を形成する。スタートアップから大企業まで集まる場にし、『見える化』をしてイノベーションにつなげ、構想を実装化、製品展開まで可能とする運用体制を構築していきたい。半導体に関係するスタートアップや地域経済の活性化に貢献し、未来社会をリードする半導体の拠点を目指したい」と述べた。
来年度末までに、施設整備を進めながらオープンラボや施設機器の利用環境を整える。アイリスの澤田和明所長は「半導体を設計から試作、製品製造までできる。教育だけでなく、人が集まる場所にしたい。半導体ネットワークを作ってほしい」と語った。
式典後には施設見学会と、産業技術総合研究所の益一哉氏による記念講演「知と志の交差点としての大学 アジャイル・ダイナミック時代の未来創造」があった。その後は、交流会が開かれた。
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1988年生まれ。三重県津市出身。
地元で数年間地域紙の記者を務めた後、某ゲーム会社で企画の仕事などを経験。新型コロナウイルス禍で紆余曲折あって豊橋市で再び地域紙の記者に。地域の人に地域の良いニュースを伝えたい。
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