先進的なサービスを提供する事業者の成功事例を表彰する「あいちサービス大賞・特別賞」の表彰式が19日、県公館で開かれた。豊川市中央通2の「ゴトウコンクリート」が開発・販売する繭型の「醸造・貯蔵用コンクリートタンク」が選ばれた。
コンクリートタンクは繭の形をしており、ブドウ本来の風味と味わいを最大限に生かしたワイン醸造を可能にする。タンクに使用されているコンクリート材料は天然素材にこだわり、セメント、石灰石、石灰砂、石灰石微粉末、天然水を練り混ぜて製造している。硬化促進剤は一切使用せず、タンクの口や埋め込み部材には鉄を使わずステンレスを採用している。一体成型で国内製造しており、外部の気温変化の影響を受けにくい点も特徴だ。
コンクリートは木の樽(たる)と同様に透気性があるため、緩やかな酸化が促進される。また、コンクリート自体に香りがないため、オーク樽のように香りがワインに移ることがなく、素材本来の香りを生かせる。さらに、繭型の緩やかな曲線によって自然対流が発生し、内部をかき混ぜる効果もある。
このほか、国内生産のため、注文から2~3カ月という短期間で納品が可能だ。コンクリート製品のため耐久性にも優れ、数十年は品質を保つといい、定期的な交換が不要で、ランニングコストの面でも優れている。
同社では繭型タンクのほか、オーク樽に似たバレルタイプも製造している。コンクリートタンクはワイナリーだけでなく、焼酎や日本酒の醸造所でも採用が広がっている。
表彰された松林秀佳社長は日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートの資格を持つほどのワイン好きで、「それが高じてタンクの開発に乗り出しました」と話す。
松林社長はヨーロッパで卵型のワイン用タンクを見たことがあった。形状について思案しつつ、日本のワインの歴史を調べると、ブドウ畑は以前は桑畑であったことを知り、「繭が戻ってきてワイナリーを盛り上げる」というアイデアに行きついた。ワイナリーのオーナーに相談すると「100年前にこのワイナリーの建物の上では養蚕をやっていたよ」と教えられ、繭型のタンクを作る決断をしたという。
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1959年東京都生まれ。山田一晶編集長に声を掛けてもらい、2024年5月に入社した。それまでは別の新聞社に勤務し、名古屋、岐阜、東京などで記者をしていた。事件取材が長かったが、東京では食文化、社会保障といった分野の取材も経験。介護など生活に密着した記事の重要性を実感した。趣味は街歩きと山歩き。東海道五十三次を歩いている。目標は東京―京都間の完歩。テント泊の登山にも憧れているが、三河の低山巡りがメイン。ミステリー、歴史小説を愛読。名古屋支局で愛知県政を担当している。人口減少、地域活性化の課題などを取材しながら、東三河の魅力を発信していきたい。
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